日本のバターのさきがけとして誕生した「小岩井 純良バター」。小岩井乳業では、発売から約120年経つ今でも、手間と時間を惜しまずにその伝統の味と製法を守り続けています。それは看板商品として、明治時代から現代にいたるまで、お客様からたくさんのご支持をいただいているからです。その「小岩井 純良バター」の歴史や魅力をご紹介します。
今から約120年前の1902(明治35)年、小岩井農場内で大切に飼養された牛から搾った生乳を使い、「発酵製法によるバター」の販売が始まりました。当時の日本ではバターの製造技術がまだ発達していなかったため、ヨーロッパの伝統的な製法である「自然発酵法」を取り入れました。それは、バター製造中も発酵が進むため、管理に経験を要する難易度が高い製法です。そのため、開発研究を始めて実際に販売に至るまでに約3年を要したとされています。それが、小岩井乳業を代表する醗酵バター「小岩井 純良バター」のはじまりです。小岩井農場の技術者たちの熱意と努力によってつくられた「小岩井 純良バター」は、その芳醇な香りで当時の人々を大いに驚かせて以来、約120年の長きにわたって、多くの人々を虜にしてきました。
「小岩井 純良バター」は醗酵バターであり、その魅力は何といっても「香り」にあります。現在の日本の主流は「甘性バター」という、非醗酵バターです。生乳からそのままつくられているクセの少ない甘みが特長です。一方、「醗酵バター」は、クリームに乳酸菌を加えて発酵させてつくられています。発酵させることで、バター本来のコクと、乳酸菌のはたらきによる豊かな香りが醸し出されるのが大きな特長です。
非醗酵バターは、生乳をクリームと脱脂乳に分離し、チャーニングという工程でクリームを攪拌することで形成した、米粒状のバター粒を集めてつくられます。
近年では、大量生産に適することから、一度できあがった非醗酵バターに乳酸菌を後から練り込む製法で醗酵バターがつくられる場合があります。
一方「小岩井 純良バター」は、バターになる前のクリームの段階で乳酸菌を添加し、発酵させる「前発酵」の製法を取り入れてつくられています。この「前発酵」の工程で、半日以上かけて発酵させることで、醗酵バター特有のほのかな酸味と豊かな芳香性が生み出されます。
その、「小岩井 純良バター」の風味が、空気に触れて損なわれないようにするため、容器にもこだわっています。例えばビン容器のキャップには、中に残った微量の酸素を吸収し、酸化を防ぐ技術が施されています。こうして、工場での作り立ての風味が開封時まで保たれています。
確かな歴史と伝統を誇る小岩井の醗酵バター。小岩井乳業が自信をもっておすすめするおいしさをぜひお楽しみください。